地球温暖化対策のためには、風力や太陽光など再生可能エネルギーの導入が重要ですが、エネルギーセキュリティの観点から、世界において埋蔵量が豊富で価格も安定した石炭を利用した火力発電を導入し、電源のベストミックスを図ることが重要です。
勿来発電所では、 IGCC(石炭ガス化複合発電)により、地球温暖化対策とエネルギーセキュリティの両立を目指します。
固体の石炭をガス化することで蒸気タービンにガスタービンを組み合わせた発電ができるため、従来の石炭火力の発電効率約42%に対して商用段階IGCCでは48~50%の発電効率が見込まれます。
これにより石油火力とほぼ同等のCO2排出量で石炭利用発電が可能となります。
資源量が最も豊富な石炭の利用技術であり、従来の石炭火力では利用が困難な灰融点の低い石炭も適合するため、利用炭種の拡大が可能となります。
固体の石炭をガス化することで蒸気タービンにガスタービンを組み合わせた発電ができるため、従来の石炭火力の発電効率約42%に対して商用段階のIGCCでは48~50%の発電効率が見込まれます。
システムの高効率化により、発電電力量(kWh)あたりのSOx、NOx、ばいじんの排出量が低減できます。
従来型石炭火力では、多量の石炭灰が発生しますが、IGCCではガラス状のスラグとして排出されるため容積がほぼ半減できます。
またスラグは、セメントの原材料や路盤材等としてリサイクルが可能です。
温排水の低減
IGCCはガスタービンを用いたコンバインドサイクル発電なので従来の石炭火力に比較して温排水量を約3割低減できます。
用水使用量の低減
従来の石炭火力の排煙脱硫装置は、燃料を燃やした後の排ガス段階でばい煙処理を行うので、多量の用水が必要でしたが、IGCCは燃料ガス段階で処理を行うので用水使用量を大幅に低減できます。