就職活動にあたり、仕事をしている自分の未来の姿を想像してみた方もいらっしゃると思いますが、社会情勢が目まぐるしく変化する昨今、10年・20年先の未来を想像するのは容易ではないかもしれません。
人生の岐路と言ったら大げさかもしれませんが、自分の長い将来について、考えを巡らせ、悩み、答えを見つけることは、今、皆さんにしかできない貴重な選択の時間だと思います。とことん悩みぬいて、答えを見つけ出してください。
ここで少し、発電の仕事を想像してみてください。昼も夜も平日も休日も24時間休むことなく設備を動かし、その時々の需要に応じて電気を供給しています。設備運転のためのメンテナンスや検査も欠かせません。
「石の上にも3年」という言葉がありますが、それはどんな業種のいかなる仕事においても当てはまるかと思います。熱意・学び・協力・忍耐といった従業員一人ひとりの不断の取り組みの積み重ねの結果、気づき・成功・喜び・成長といった、仕事を通してしか体験することができない素晴らしいものに出会えるはずです。
どうか、これから社会という大海原へ漕ぎだす皆さんにも、このような仕事でしか得られない、充実した気持ちを味わってください。そんな気持ちに満ちあふれた姿で、将来働いてほしいと切に願います。
当社は、1955年の設立以来、一貫して火力発電による電気の卸供給を事業とし、設立の経緯ともなった石炭に関して高い技術力を誇ると自負しています。
近年、電力需要の増加に伴い、火力発電はピーク電源からベース電源へとシフトしており、当社においても高負荷連続運転を継続しています。
また、低炭素社会の実現に向けた新しい燃料の導入や、次世代に向けての高効率発電設備へのリプレースの検討など、積極的な取り組みを行っています。
電気は、ライフラインの一つであり、人々の生活や経済活動に不可欠なものですが、「安定して電気を供給する」ための仕事は、決して華やかな仕事ではなく、地道な努力の積み重ねです。わずか一瞬でも電気を止めてしまうと、今までの努力の積み重ねは崩れ、国民生活や経済活動に大きな支障を来し、信頼を失うことになります。それだけに発電の現場は緊張が連続する職場でもあります。しかし、その緊張感は責任感へと変化し、信頼を維持することにより高い誇りへと結びついていきます。
先般の東北地方太平洋沖地震の際、いわき市にある勿来発電所は、大きな揺れと津波により設備に甚大な被害を受け、発電機能が停止状態となりました。幸い、年内には震災前の出力まで復旧し、再び電気を供給することができましたが、その復旧作業の過程で、ある地元地域住民の方に頂いた言葉があります。「火力が再稼動したから安心した。これで街の復旧に弾みがつくよ。」 震災前も地域の皆さまのご支援のおかげて発電をしていましたし、まして今回の震災復旧においては、地域の皆さまからの励ましがあったからこそ早期に復旧できたものと考えていますので、この言葉を頂いた時、地域の方の温かさに触れ、反対に我々が勇気づけられ、地域と共に歩んでいくことの素晴らしさを改めて感じました。
今後も、いつも発電所を見守ってくれている地域の方々への感謝の気持ちを忘れず、安定して電気を供給し、地域に明かりを灯し続けることで恩返しをしていきたいと思っています。
常磐共同火力 人事・労務グループ 採用担当