2007(平成19)年度実証試験状況について

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年度別実証試験研究

2007(平成19)年度実証試験状況について

 平成19年9月20日のガス化炉点火によりIGCC実証機の建設工事が終了し、実証試験を開始しました。

 平成19年12月上旬に石炭ガスをガスタービンに初めて投入いたしました。以後12月下旬にプラント負荷50%到達、平成20年1月上旬にプラント負荷75%到達と順調に試験は進捗し、3月7日には、プラント負荷100%(250MW)到達となりました(下記・写真)。

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 平成19年度における各主要設備の運転状況は以下のとおりです。

(1) ガス化炉設備

【9月】 9月20日のガス化炉点火以降、ガス化炉への石炭投入に先立ち、石炭ガス化反応に必要な温度まで灯油にてガス化炉の温度を上昇させる必要があることから、灯油を燃焼した状態でガス化炉を昇温・昇圧し、灯油燃焼ガスでの安定運転を確認しました。
【10月】 ガス化炉燃料の灯油から石炭への切替試験を実施し、ガス化炉の運転状態およびスラグの排出性が計画通りであることを確認しました。
【11月】 ガス化炉運転の制御性の確認を実施しました。
【12月~3月】 石炭ガスの圧力制御を実施し良好な制御性を確認しました。
また、ガス化炉とガスタービンの協調制御運転を行い、安定した運転ができることを確認しました。

(2) ガス精製設備

【9月】 ガス化炉にて発生した灯油ガスの通ガスを実施しました。
【10月】 中旬より石炭ガスの通ガスを開始しました。また、下旬よりアミン(ガス精製用の薬液)再生を開始しました。
【11月】 石炭ガスから回収した硫黄分を燃焼させるオフガス燃焼炉運転の燃焼状態の確認、その後硫黄回収設備調整運転を実施し、良好な運転結果を得ました。
【12月~3月】 各負荷において、石炭ガス系統が安定して運転できることを確認しました。

(3) 複合発電設備

【9月】 ガスタービン25%負荷(灯油焚き)での総合インターロック試験を実施しました。
【10月】 負荷運転調整を行いました。
【11月】 中旬にタービンの急速停止を実施し、良好な試験結果を得ました。また、下旬に石炭ガス投入に向けた燃料ガス管パージ(ガスタービンに石炭ガスを投入する前に燃料配管内の空気を窒素で置換すること)確認を実施しました。
【12月~3月】 ガスタービンの燃料切替(灯油⇔石炭ガス)が問題なく実施できることを確認するとともに、各負荷において燃焼状態の調整を行い、良好な燃焼性を得ました。蒸気タービンについても、ガスタービン燃料切替や負荷変動による主蒸気温度への影響は緩やかであり、問題なく運転できることを確認しました。
また、石炭ガス焚き時の総合インターロック試験を実施し、各設備が安全に停止できることを確認しました。